バカンス パリへ出発

暑くなってくると、今年の夏はどこに行くの?なんてイタリア人達は会うと聞いてくるようになります。

子供たちは6月10日あたりに学校が終わり。

(結局みんな6月と7月はお金払って夏学級とか近所の教会主催の子供会みたいなところに行っているのだけど。あとは祖父母が近くにいて助けられる家族はそこに預けられていたり。せめて6月末に学校終わりにすればいいのにな、なんて思ってしまう日本人。)

 

私も夫もあまり海辺にずっといて食事して海行っての繰り返しをする夏休みは好きではなく、何回か山の地方へ行き毎日ハイキングをする夏休みもしたのですが、もともとちょっと高所恐怖症気味の夫が年々ひどくなっていくのと、数年前からパリにいる甥っ子(現在中1)が夏にちょっと一人でイタリアに来るようになったので彼も楽しめる旅を、更にどんなに暑くてもずっと家から動かない義両親を少し連れ出そうとか色んなことが重なるようになってきました。

というわけで今年は、車で義両親と4人で夫の双子の弟家族が住むパリへまず行くことに。私たちは今まで車で行くことはしたことがなかったのですが、義弟はよく車でやってきます。

数日のんびりパリに滞在した後は、みんなで車2台でノルマンディー地方へ数日行き、再びパリに戻ったら義両親はミラノまで電車で帰路につくことにし、私と夫と甥っ子は3人でパリを車で再び出発し、アルザス地方へ向かい数日かけて徐々に南下していき、ドイツのフライブルグ、黒い森の地方を通り、最後はスイスのバーゼルに半日滞在してミラノ郊外に帰るという約2週間の旅に決定。

 

6月23日の朝自宅を出発。

パリまでは休憩時間を入れて10時間から12時間くらいかかる予定。

ミラノからパリの列車だと7,8時間というところ。

 

義弟家族がこっちに来る時は、モンブランの下を通る長い長いトンネルを超えて来るのですがこのトンネルは通るのに結構お金がかかる。

普通車で47ユーロ、もしも帰りが行きの日から7日以内であるならば往復割引があって58ユーロ。

しかし今回私たちは2週間以上の旅なので、このトンネルを通るには100ユーロ近い料金がかかってしまう。

そこでモンブランは通らず、まずスイスに入りサン・ゴッタルドという峠を通ることに。

 

スイスの高速道路には料金所というものがなくて、年間パスを買うことになります。

例えば1年間に1回しかスイスに行く予定がなくても、毎日スイスの高速道路を使う人も一律料金。

ボッリーノとかヴィニェッタとイタリア語では呼ばれるシールのようなパスを買ってフロントガラスに貼ることになります。

 

これは国境でも買えるようですが、私たちはミラノの地下鉄M1のPalestra近くで買いました。

goo.gl

40フランなので37ユーロとかそんな感じです。

ここの事務所、グーグルマップによるとものすごい評価悪いのですが、中にってすぐにこのパスを買いに来たのですがと聞いてみると、反対側のデスクに座っているおじちゃんが売ってくれます。

どこの出身の人かわからなかったのですが(多分南の方)すごいきついアクセントで話すおじちゃんは明るくて、日本人かと聞かれてそうだと言うと車やバイクへの愛を語っていました。

 

一方フランスの高速道路はイタリアと同じで走った分を払う形式ですが、義弟やフランスに前住んでいた友人の話によると、県道などを走っても状態はいいし時間もそこまで大幅に変わらないから節約の為に使えるよと教えてもらいました。

結果、バカンスの間かなり県道を高速道路の代わりに使いましたが、特に不便さはなかったです。

 

出発した日、うちを出てバーゼルに着くまでは肌寒いくらいでみんな薄いセーターなんかを着ていました。

フランスに入ってから徐々に晴れ間が見えてきましたが、長距離の旅にはちょうどいい感じでした。何度も休憩を取りながらひたすら、バーゼルを超えてからは大きな都市を通ることはなく、ひたすら県道沿いのひなびた村だったり、時々すごくきれいなでも小さな町をいくつもいくつも通り、12時間後に義弟の家に到着。

 

今までパリに春や夏に行くといつもミラノよりはちょっと涼しいという認識だったのですが、なんと今回はカニキュールとかいう猛暑にぶつかり、着いた次の日からはもう夜寝るのもツライほどの暑さ。昼間は家中の雨戸を閉めてじっとしていたい感じ。

義両親はすぐに「もう息子たちに会えただけで私達は満足」と言ってパリ観光にはいかないと。

私達も結局いつものように歩き回るのは危険な感じだったので、ちょっと歩いてはクーラーの効いたお店に入ったり、木陰を求めたり、座ったり。

 

少し前に火災の起こったノートルダム大聖堂の前にも行きました。

見学したのは15年前で、ステンドグラスの美しさに思わず口を開けたまましばらくぼーっとしてしまったのを覚えています。

その時、大聖堂の前で北欧のどこからか来たおばさんに声をかけられて写真を撮ってくれないかと言われました。

私も一人だったので写真を撮ってもらい、少し話をしました。

私もおばさんも英語がそこまでできない中でも、当時今よりちょっとドイツ語を知っていた私は時々おばさんが言うことがドイツ語みたいでなんだかわかる感じがしました。

そしてどういうわけか意外と意気投合して、そのまま一緒に歩いてリュクサンブール公園まで行き、また写真を撮りあって(今みたいにセルフィーなんていう概念はなかったので1人ずつ)そこで別れたという思い出が。

 

また、パリに来た時の私の楽しみの1つは、タイ料理やベトナム料理などアジア系の食事をすること。

今回は初めてボブンを食べました。

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オペラ座の近くを歩いていたら、次々に近くで働く人々が吸い込まれていく小さなお店があったので入ってみました。

私はほとんどフランス語はできないし、夫は私よりはマシでもすごい喋れるわけでもなく、ここのお店はいくら英語で話してもなんか店員さんはずっとフランス語で話していました(感じは悪くない)。

どうやらボブンの上に何かショーケースに並んでいる肉や魚の炒めたものを乗せられるということを言っているとわかったので、白身魚の甘辛炒めを私は選び、夫はチンジャオロースみたいなものを乗せてもらいました。

次から次へとやってくるお客さんたちのほとんどはテイクアウトで、白米かチャーハンを選び、1つか2つおかずを選んで全部をお弁当みたいに詰めてもらっていました。

 

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そして大好きなグスタフ・モロー美術館にも行きました。

ところが有名な絵が前来た時よりないなあと思って調べたら、なんと日本にコレクションは行ってました(笑)

でも、ちびっこだと思っていた甥っ子が急にここで最近学校で習ったと言って、絵を見ながらいくつか神話について説明してくれました。

義妹も突然説明し始めた我が子に驚いていました。叔母ちゃんもびっくりした。

ついこの前までポケモンカード日本から買ってきてなんて言っていたのに!(関係ないか)

 

あとやっぱりパリに来たら、オシャレな義妹にショッピングに連れていってもらうのが楽しい。

さっきから義妹と言っているけれど、実を言うと私のが年下。

彼女はイベント関係の仕事を長年してきたけれど、布や糸などを使った「絵」を作るアーティストでもあるので、服やジュエリーなど身に着けるものにはすごいこだわりがある。一緒に買い物に行くと思ってもみなかった色やデザインの服を勧められて、えーとか言いながら着て見ると新たな発見がいつもある。

そんなわけで今回もちょっと服を買ってしまいました。