音楽院の受験

毎年8月の終わりくらいから、9月にある国立の音楽院の入試の伴奏の話が色々増えてきます。

今年はちょっと色々あって、例年以上に色々な音楽院に行きました。

 

受験者の大事な試験ですから、私もいつも以上の責任感を感じて毎回とても疲れます。

そして、毎回のことながら入試はさすがイタリアと言ってしまうのはあれですが、オーガナイズの仕方が悪いのでストレスも倍増。

一つの楽器であっても、音楽院にはいくつかコース(グレード)があるのでコースによって試験日が違うし、イタリア人か外国人かによっても試験日が違うことがほとんど。

私は外国人入試に行くことが多いですが、よくあるのがとりあえず全員その日の朝一に集合させられるパターン。

大抵は名字のアルファベット順なので明らかに最初の方じゃないとわかっていても朝の点呼にいないと受験資格をはく奪されたり、一番最後に回されたりするので朝から行くしかない。

そして、点呼が終わってから自分の番になるまで、きちんとどこか練習できる場所や落ち着いて座っていられる場所があるとも限らない。

さらに、大抵は予想の時間からは始まらず、途中で先生たちの長い休憩があることもよくあるのでともかく時間ばかりが過ぎていく。

あと、外国人入試にはイタリア語が不慣れな人も結構いるし、名前が似ていたり発音しにくかったりで点呼の時点でカオスになる(某音楽院では韓国人受験者が多く、途中から受験者の一人が自分がみんなの名前を呼んでもいいですか?とか言っていたな。別の音楽院では中国人が多くて、その子達ほぼ全部を伴奏することになっていたピアニストが最初から先生と一緒に点呼していたし。)。

今年行った入試で一番スムーズだったの、コモ。

 

私も人生で何回か受験がありましたが、やっぱり一番強烈だったのは日本の大学ですかね。

「願書が届いた順に受験番号が振り分けられるので、願書出すのも少し時期を考える」というのが周知の事実だったことに私は気づかず、はりきってすぐに願書を送ったら1桁の番号が来て、二次試験の時点で一桁の番号を持っているのは自分ひとりになってしまい同じ高校の子はみんな番号知っていてバレバレでした。

長い長い受験を終えた時にもう解放感よりも疲労感で動けなかった。

(そして本当に大変なのはそこからだった)

イタリアの音楽院を受けた時は、ある意味ショック状態というかイタリア語もあまりできなかったし、もはや受験会場に着いただけでほっとしてともかくここにいれば受験できると思ったら元気が出たくらい。

懐かしいな。