パヴィアでコンサートのはずが

5月22日はミラノの隣の県パヴィア Paviaの病院内で3人の歌の方とコンサートでしたが、思いもよらぬことが起こり、私は演奏することができませんでした。

なんと私の乗った電車で人身事故が起こり、急停車した電車内にそのまま3時間ほど拘束されました。

事故が起こった時はコンサート開始まで2時間ほどあり、停止したのがその電車の種類では止まらない各駅停車の駅を数百メートル過ぎただけの位置だったので、自分を含め多くの乗客が電車から降りられないかということを車掌に頼んだのですが(降りられたら共演者がそこまで車で迎えに行くからと言ってくれていました)警察の命令で誰一人この電車から降ろすことはできないと。

少し前から夏のような陽気になっていて、この日は特に蒸し暑く海辺へ向かう電車は既にミラノでほぼ満員、そしてクーラーは効いておらずいくら窓を開けていても時間が過ぎる程座っているのがツライ温度に。

子供や年配の方が喉が渇いた、気分が悪いと外で検証をしている警察の人などに訴えるものの少なくとも私の近くにいた誰もが電車からは降ろされず、子供の泣き声が響き渡る中、みんながそれぞれ電話で状況報告をするのでイライラした空気は高まるばかり。

 

結局共演者は知っている限りのピアニストに電話をして、幸い代わりの人を見つけられ、そして私はコンサートが終わる頃、何の放送もなく突然電車は発車し無情にも動けば10分で目的地パヴィアに到着。

事故の影響でミラノ行きの電車はほとんどがキャンセルになっているだろうからと共演者がコンサートが終わった後に駅まで車で来てくれて、ミラノの地下鉄が通っているところまで送り届けてくれました。

全く私のせいじゃないというのは自分でもわかっているのですが、弾けなかったことが本当に悔しかった。